(翻訳協力 長谷川理影)
Lauren
Bartlett (lbartlett@support.ucla.edu)
For Immediate Use (310) 206-1458 April 20, 2000
1999年リーフチェック世界調査
結果報告は、
サ
ンゴ礁がなおも危険の中に残ることを示しました;
UCLA研究者が南カリ
フォルニア海洋生態研究結果を発表
高海水温によって死滅したサンゴ礁の1/3は回復に向かっています。しか
し、最近報告された
フィジーでのサンゴ白化は、世界のサンゴ礁の未来が危ういことを確信づけるとUCLA環境研究所は発表しました。
UCLA客員教授であり、リーフチェック創立者&グローバルコーディネー
ターであるGregor
Hodgson氏は、1999年調査結果を次の様に報告しています。「1999年の調査結果は、1998年−かつて記録された最も暑い年−に死滅した
サンゴ礁の1/3が回復している事を示しました。その前年の調査で世界全体のサンゴ礁(沿岸を保護し食物と薬品を提供する天然資源)の
15パーセントが死滅したことがわかっています。
“いくつかのサンゴ礁の回復には励まされますが、サンゴ礁生態系の危機は
減少していません。
”Hodgson氏はさらに“新たなサンゴ白化が今フィジーで進行中で、地球温暖化の予測が正しい場合、サンゴ礁はさらに追い詰められる
可能性があります。また、リーフチェック調査により、高級食用魚や貝類の多くが乱獲により、殆どのサンゴ礁から姿を消したことが
確認されました。リーフチェック調査の最も重要な仕事は、サンゴ礁に対する脅威と危機解決に関して社会の注意を喚起する事です。”
Hodgson氏は、南カリフォルニア海の健康を調査するためにケルプ
チェック(コミュニティー・
アクション・プログラム)と呼ばれる新しいプログラムを計画しています。
研究所長
Richard Turco氏は“環境研究所はリーフチェックと新しいケルプチェック・プログラムを
歓迎します。世界中の何億もの人々が依存するこれら生態系の健康はとても重要です。カリフォルニアでは、藻場モニタリング・
プロジェクトや、都市化や人間活動がこれらのケルプやサンゴ礁に依存する種へどのような影響を与えてきたかという調査は、
長い間何もなされてきませんでした。私達は、カリフォルニアの大切な海洋生態系をモニタリングするために、リーフチェックから学んだ
カリキュラムやその他のプログラムから学ぶであろう様々なことを進めていきたいと考えています。”と言いました。
リーフチェック調査からHodgson氏は、高海水温(地球温暖化)に
よってカリブ海/太平洋/
インド洋の全域にわたる多数の国々のサンゴ礁が厳しく破損されたことを確認しました。最もひどい影響を受けたサンゴ礁では、
水深40mの深さまでサンゴが死んだ例や、1000年の歴史を経た巨大なサンゴが死滅しました。>
約100ヶ国に生息するサンゴ礁は貴重で重要な生態系で、食物と医薬の源
でもあり、波浪浸食から
海岸を保護する働きを持ちます。旅行産業にとって重要な熱帯の島々や白砂の海岸は、サンゴ礁の副産物です。
“ほとんどのサンゴ礁で高級食用魚や甲殻類が減少し、過剰な漁業影響結果
を示しました。
しかし、イセエビ、ハタ類などの食用魚、シャコガイ、ナマコなどいくつかの増加は改善の表れです。これら高まる需要を満たすために、
生息自然環境を上手に利用した養殖の研究・投資を行う事は、熱帯発展途上国の人々に食物・薬品・そして収入源を提供して良い影響を
与えます。
“ハタ類のような大型魚減少は生態学的不均衡をもたらすします。他の要因
と結合すれば、
これは今カリブ海で起きている藻類に被われたサンゴ礁になってしまいます。私達は、漁業管理が改善されて良い傾向が続く事を
願っています。”
世界で最も健康なサンゴ礁は紅海です。紅海では漁業圧力も少なく、サンゴ
白化も穏やかでした。
“白化”とは、サンゴ礁が高海水温や強い紫外線や環境上の変化を受けて発生します。サンゴ特有の共生藻を失い白くなってしまうのです。
ストレスを受ける期間が短ければ回復しますが、長ければ死んでしまいます。
アメリカでは、サンゴ礁の84パーセントがハワイにあり、その他はグアム
/フロリダ/バージン群島/
プエルトリコで見られます。このサンゴ礁は、レクリエーション/沿岸保護/フィッシングによってハワイに年間10億ドル(1100億円)寄与する
価値のある観光経済資源です。クリントン大統領は1998年、サンゴ礁モニタリングと管理のためのサンゴ礁特別対策委員会作成・
大統領政令に署名しました。
米国天然資源保護理事会弁護士 Andrew
Wetzler氏は“リーフチェック調査は、アメリカの
サンゴ礁が追い詰められている現実を明白に示しています”と言っています。
“この最新ニュースは、サンゴ礁保全の必要を示唆しており、私達は議会にアメリカ
国内の
サンゴ礁生態系消失を食い止める2600万ドル(28億6千万円)のクリントン予算提案を承認するよう促します。
我達は国の脅かされたサンゴ礁資源を保全するために、敏速に行動する必要があります。”
リーフチェックは1997年に、31ヶ国のサンゴ礁海域の最初のグローバ
ル調査を組織しました。
この調査は、ボランテアレジャーダイバーや地域の漁師も参加したチームが、プロの海洋生物学者に率いられ訓練されるユニークなものです。
3度目となった1999年の調査には、1,500人を越えるボランテアダイバーと海洋科学者が参加し、熱帯地域の250のサンゴ礁健康を
調査しました。
Hodgson氏は、いくつかの改善策−例えば、政府が漁業禁止保護区域
を増やす・養殖事業に
もっと力を入れる・水質汚染を防ぐなど−が実行されれば、サンゴ礁は守ることができると言っています。
“リーフチェックのゴールは、サンゴ礁やサンゴに関連した生態系がいかに
大切であるかという
意識を広める事、そしてサンゴを守る活動を共に行ってゆくことを、一般の人々や企業、政府に呼びかける事です。”
1999-2000年度調査への資金提供は、ロックフェラー・ブラザーズ
基金、国連環境計画、
マッカーサー財団、天然資源防御会議、サンゴ礁連合、World Resources研究所/ICLARM、デカプリオ財団、クイックシルバー・
インターナショナル、駿河銀行など様々な組織より戴きました。
リーフチェック調査結果は、環境保護グループが4月22日のアースデイ
30周年記念日に向けて
プレスリリースされます。アース・デイ2000のテーマは省エネ(地球温暖化を遅らせる重要な方法)です。この記念日を祝うために、
世界各地のダイバーは、今週開催中のイベント「ダイブinアースデイ」に参加するでしょう。
UCLA環境研究所は、環境問題に関する研究及び教育に尽し、様々な分野
の学科−科学/
公共政策/エンジニアリング/法則/ビジネス/公衆衛生など−を経た研究員で構成されています。
-UCLA
|