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サンゴ礁保全 保護 リーフチェック/ネットワーク軌跡22
         INDEX
96/06 自習方式・スノーケリング入門
96/06 三点セットQ&A         
96/12 宇井純『日本の水はよみがえるか』
97/01 WWF、スーザン・ウェルズさん
97/01 オニヒトデ
97/01 元旦マンタ
97/02 Co2とサンゴ礁
97/04 諫早湾・潮止めに至る軌跡
97/11 ジュゴン情報が公開されたけ
96/06

自習方式・スノーケリング入門

 スノーケリングは、三点セット で水面下が覗けるとても手軽な海での遊びです。
特に南の海では、目の前を魚が泳ぐところやきれいなサンゴが手に取るように観察できて、時間のたつのも忘れてしまいます。

 そんな楽しい遊びもほんの少し知識が足りなかったり、道具の選択ミスでケガをしたり、水を飲んだり、足がつったりのトラブルで、楽し い 時間が台なし になることがあります。今年の夏、初めてスノーケリングにチャレンジする人に、あるいは、家族旅行で我が子と楽しんでみようと考えてるお父さんに、参考に なれば幸いです。また、ゆくゆくはスクーバダイビングに挑戦してみたいと考えている人にも、スノーケリングのマスターはとてもプラスになります。スキュー バの基本と言ってもよい要素がスノーケリングにはあります。スキンダイビング(素潜り)については、今回は含んでいません。家族で、友達同士で、カップル でなど初めての人を対象としました。

 全く初めての人は、マスクスノーケルの使い方をこのマニュアルを参考にお風呂で練習して、海では必ず2人1組のバディシステムで、静 かな 海域の膝ぐらいの水深から初めてください。最後まで進んでマスターしてから背のたたない水深にも行けますが、すぐ背の立つ所に戻れる範囲で練習して下さ い。あとは時間の積み重ねと回数が、あなたを自然にスノーケラーへと導いてくれます。

 スノーケリングは、3点セットを上手に使いこなす遊びです。しかし、道具の選択も大事で、特に顔に合わないマスクや呼吸しにくいス ノーケ ルを選んでは上手になれません。グローブ・ブーツ・浮力具などは、軍手・運動靴・スイミング用などで代用可能ですが、マスク・スノーケルそしてフィンまで は自分にあったものを選びましょう。気になる点セットの購入費用ですが、台湾製などの安く て機能の優れたものが釣具屋さんやアウトドアー店に見られます。点セットだけなら1万円で お釣がくるはずです。

 たくさんの人が海と遊べるようになってくれることを望んでいます。
そして少しでも海での事故が減少してくれることも。
それから、海という自然を1人でも多く好きになってもらうことも。

 【自習方式・スノーケリング・マニュア ル】 

1)コンデション&ポイント
 初めての時ほど、良いコンデションと安全なポイントの選択が大切です。入り江地形の波うねりが入らないポイントを選びましょう。潮流のあるポイ ントは避けましょう。南の島なら、風陰のリーフ内遠浅のビーチから始めましょう。リーフ先端で白波が大きく崩れているときは中止のサインです。沖出しの潮 流(リップカレント)が発生して危険です。少しコンデションが良くないけれど、せっかくここまで来たのだからといった無理をしてはいけません。*背の立つ プールで最初の練習が出来ると理想的です。
 
2)バディシステム
 1人でなく最低2人1組から活動し、お互い協力し助けあうことです。このマニュアルも、2人1組で学ぶを前提に作られています。スキューバダイ ビングでは必至項目で、スノーケリングでバディシステムが可能になると、より楽しく安全になります。2人ならんで片方向ずつ観察できれば、2つの目より4 つの目がより面白い魚を見つけることが出来ます。フィッシュウォッチングしながらのバディシステムは、とても楽しいです。バディと探した魚を教えあって、 スノーケルをくわえて話ながら泳ぐと楽しくバディシステムを維持できます。一度離れたしまったバディを、水面で探して連絡をとるのは大変です。波があれば 見えにくく、声をかけてもバディが水面に顔を出してないと聞こえないからです。離れない方法をバディ同士で相談しましょう。たとえば左右のどちらに誰がく るか、フィンの遅い人にリードさせるなどです。

3)用具の準備
 泳ぎに自信のある人ほどフィンなしのマスク、スノーケルのみスノーケリングを試みますが、これは絶対やってはいけません。なぜならば、スノーケ ルによる呼吸は制限された呼吸、呼吸死腔の増加を伴い、全身運動の水泳呼吸とまったく異なる呼吸法だからです。これは陸上で試してみてすぐわかります。マ スク、スノーケルをつけて軽く走って見てください。すぐ苦しくなってしまいます。
 *呼吸死腔=一呼吸量のうちの肺で使われない気道やスノーケル容積分。
スノーケリングにはマスク、スノーケル、フィンの点セット使用が必至項目なのです。夏の海 でのスノーケリング事故原因は、大半がこれです。

 泳ぎに自信のない人は、ウエットスーツを使用すると身体全体に浮力がつき、上達が早まり、背のたたないところでも浮いてます。浮袋は 風 の影 響を受けやすくあまりお勧め出来ませんし、いつまでも上達できません。スノーケリング用ライフジャケットはありますが、あまり普及してません。スイミング 用浮力補助具は、浮袋よりましですね。国産船舶用ライフジャケットは最悪で水上スキー用(アメリカ製)が優れています。

4)用具の着用

【マスク】
 顔につける前にガラス内側に曇 り止めをします。専用液がありますが、ツ バが手短か。ツバにあるアミラーゼが曇りの原因の脂肪分を分解します。直接マスクガラスにペっと吐くのは見苦しいので、指先につけてガラスにこすりつけ海 水でゆすぎます。(海草、たばこも可)買いたてのシリコンマスクが良く曇ります。これは素材のシリコンに油脂が残り、ガラス素材と相性が良すぎ付着する為 です。使用前に歯磨粉を着けた歯ブラシで良くこすります。歯磨粉に含まれる微細なコンパウンドで、シリコン油脂をこすり落とすのです。クリームクレンザー も強力です。

 日焼け止めクリームを顔に塗りすぎると、ガラス面に落ちて曇ります。

 着用では、マスクベルトを下げすぎず耳の上を通すのがポイントです。後頭部下過ぎるとベルトが下がってきて、顔への密着が弱くなり水 が入りや すくなります。マスクベルトの調整法を前もって理解し、きつすぎない程度に調節します。マスクに髪の毛が挟まっていても水が入ります。髪の毛が挟まってい るかはバディ同士で確認しましょう。口髭は勿論水が入りますが少しです。

 マスク呼吸は、普段陸上での呼吸が鼻呼吸なのに対し口のみ呼吸になります。間違えて水面下で鼻で吸うと、マスク内に水を呼び込んでし まいま す。陸上でマスクをつけて、深呼吸をイメージしながら(複式呼吸)マスク呼吸に慣れましょう。マスクに水の入りにくい表情はニヒルな顔です。笑顔は口元に 溝ができ入りやすくなります。でも楽しくなると歌を歌ったり、バディと話しながら泳いでる人もいますよ、スノーケルをくわえながら。

【スノーケル】
 マウスピース部分の2個の突起を上下の歯で軽く噛み、回りを唇と歯の間にはさみます。口元は、しっかりすぼめてシールします。呼吸は大きく深い 呼吸《深呼吸のイメージ》です。スノーケル先端に手を添えると( 塞がない)、暖かい自分の息が出てるのが分かります。反対に最も悪い呼吸は、早く短い呼吸です。早く短い呼吸は、吐いた息をスノーケル先端から出る前にま た吸ってしまい、酸素濃度を下げて苦しくなります。マスクベルトに止めるスノーケルホルダー部分の調整法を、前もって理解しておき、水の入りにくいスノー ケル位置に修正します。

【フィン】
 素足にはくフルフィットフィンと、ブーツを履いてつけるストラップフィンがあります。どちらのフィンも背の立つ水中を歩く時は、横歩きか後ろ歩 きでないと、フィンが邪魔して倒れそうになります。フィンには右左はありませんが、表裏があります。ストラップフィンは表裏を間違えやすいので注意しま す。表裏を間違えると推進力が低下します。着用は波打ち際がペンギンみたいに歩かない分楽です。サンゴ礁の海では潮の干満で水が干上がり、サンゴだらけの 海岸を歩かなければならなくなる時があります。そんな時にはブーツとストラップフィンの組み合わせが安全です。ストラップの調整法を前もって理解して、 フィンの脱着をスムースにできるようにします。

【グローブ・ウエットスーツ】
 あったほうが良いです。くらげ、サンゴ、日焼けから身を守ります。ウエットスーツは浮力があり、ライフジャケットの役割もあります。泳ぎに自信 のない人には、特にグローブ・ウエットスーツ使用を考慮して下さい。グローブは岩やサンゴに手を着くときの怪我を防ぎます。軍手で代用可能です。ウエット スーツは身体全体に浮力を与えてくれ、水への不安感を取り除く最良の道具です。本来は体温損失を遅らせるためですが、スノーケリングでも長時間楽しむには 必要です。

5)スノーケリングスキル【必 ずバディシステムで、表示順に進んでください】

【1】“フィン着用での起き上がり方”
 水面にうつ伏せで浮いた状態から立ち上がるのは、まず体をひねって仰向けになってから、お尻を落とすようにして立ち上がります。最初に必要な練 習で、連続動作でスノーケルに水が入らずスムースに立ち上がれるようになるまで、何度も練習してください。ポイントは急いで水面上に出ようとせず、浮力を 利用して水面下でゆっくり立てる姿勢になることです。慌てて立とうとして、バランスが取れず倒れた勢いで、サンゴに手をついて怪我をすることがあります。
【練習方法】
 背の立つ腰以上の深さで、最初バディに手を取ってもらい、起き上がるとき補助を受けます。慣れてきたら補助なしで、そして交互に練習します。

【2】“スノーケルクリア”
 スノーケルに入った水を、顔は水につけたまま排出するスキルです。このスキルをマスターすると、スノーケルに水が入る度に背の立つところに戻る 必要がなくなります。口元は、しっかりすぼめてシールして下さい。最近のスノーケルは排水弁付きが増えて普通の排気でもクリアしやすくなってまが、お腹に 力を入れて強く吹いてください《くしゃみをイメージ》。クリア後の最初の吸気は、注意深く吸ってください。残った水が気管に入ってむせることがあります。 注意深く吸うのは《熱いスープを吸うイメージ》。
スノーケルを塞ぐ程水が残っていても、注意深く吸うと塞いでいる水の中を空気が通って呼吸できるのが、シリコンスノーケルでのバディの練習を見 て確認できます。海水が気管に入ってむせることをチョーキングと呼び、対策は咳をするのとつばを飲み込むです。咳は海水を気管から出す為、つばを飲み込む は海水を気管から食道に移すの意味です。排水弁付スノーケルは砂の上に無造作に置いたりすると、シリコンゴム排水弁に砂やサンゴ破片が挟まって水がどんど ん侵入してくるので、便利な物ほど取扱いに注意しましょう。
【練習方法】
 正座して首から水面に出る深さで、2人向かい合って交互に練習します。顔を水面に出して大きく息を吸い止め、水面下でスノーケルをくわえ顔を上 げずクリアします。クリアした後もすぐ顔を上げず、呼吸が継続できて合格です。スノーケルを水面下でくわえる時、マスクに少し水が入ります。それで次のマ スククリアに移ります。

【3】“マスククリア”
 マスク内に入った水を、マスクはそのままで抜いてしまうスキルです。

  1. マスクフレーム上端を軽く顔に押当てやや下に向きます。
  2. 鼻から弱い息を出します。《鼻歌&ハミングをイメージ》
  3. 鼻息を出しながらゆっくり上を向いていきます。これで水はきれいに排出されます。原理はマスク内空間に鼻から息を送りこむことに よって水を押出すです。
《失敗しないポイント》
 1)のマスクフレーム上端を押すは、強く上向きに押しては駄目。
 マスク下部が顔から浮いてきれいに排出されない。
 水がすでに入ってる時は上を向かない。鼻奥まで水が来て粘膜を刺激。
 2)で鼻息を強く出すと中の水が跳ね返って目にかかる。
【練習方法】
 正座して首から水面に出る深さで、2人向かい合って交互に練習します。最初は水を入れずシミレーションで練習します。連続動作でシミレート出来 たら、マスクに水を入れて練習します。水を入れたつもりでも入ってない場合があります。バディに水が入っているか見てもらい交互に練習します。泳ぎながら マスククリアできるようになれば、合格です。

【4】“フィンワーク”
 フィンは速く進むための道具じゃなくて、楽に進むための道具です。スノーケル呼吸はマスクで鼻が塞がれた、制限された呼吸です。その制限された 呼吸でスムースに泳ぐための道具がフィンです。手は使いません。手を使うことは水中抵抗を増やすだけでなく、フィンワークの上達をふせぎます。深いゆっく りした呼吸に併せたゆっくり、大きく、膝を曲げすぎないように、キックします。足首はバレーダンサーの用によく延ばして力を抜き、足の付け根から爪先まで 足全体を使います。フィンが水面に出てしまい水面を叩くフィンワークは、効率の悪いやりかたです。ダウンキックする時、太もも前の筋肉を使い水面下にしっ かりゆっくりフィンを下げ入れてください。
【練習方法】
 腰ぐらいの深さで交互に練習します。速度を変えたり背泳での練習も効果があります。背泳での練習はスノーケルをくわえてると水を飲むので、ス ノーケルはくわえず、あごを引いて顔は完全に水面に出して練習します。背泳での練習では、フィンワークに使う筋肉がどこかよく分かります。

【5】“水面姿勢”
 背筋を良く伸ばして、顔は斜め前方に向けます。プロペラの役割に当るフィンが水面下にしっかり入るように、上半身を持ち上げぎみにします。全く 身体の力を抜いて、猫背になったりお尻だけ大きく水面に出たりでは推進効率が悪く、より省エネルギーが必要なスノーケル呼吸やフィンワークにマイナスで す。またあまり真下ばかり見てると、スノーケルに水が入りやすくなります。
【練習方法】
 以上は自分のスノーケル姿勢をバディに見てもらうことで改善できます。なお、水面に浮いてるバディに離れた所から声をかけても、耳が水面下に入っている とあまりよく聞こえません。すぐ近くにいてバディの耳元で声をかけるか、身体に触れるのが確実です。

【6】“水面確認”
 魚が一杯の水中を見ていると時間を忘れてしまい、方向感覚も失われます。時々鼻まで顔を上げてスタート地点を確認してください。上記しましたが 耳が水面下に入っていると、バディが大声を出して呼んでもあまりよく聞こえません。離れてしまったバディを確認して合流するにも、水面確認は大事です。

【7】“水面移動” 
 流れのないところなら身体の力を抜いて何もせず休息できます。しかし水面は、浮袋ほどではないにしても風波の影響を受けます。浮力を確保してく れるウエットスーツも水着のみより風波の影響を受けるので、風の強い時は最初風上に向かって進み、帰りは風に追われて帰るのが楽で安全です。また潮流があ るかどうかは、水面に浮かぶ海草などを見て確認します。強い潮流のあるところは避けましょう。弱い潮流なら最初潮流に向かって進み、帰りは潮流に乗って戻 ります。

【8】“足のつり”
 フィンワークで普段あまり使わない筋肉を使用してつってしまうことがあります。足を延ばしフィン先端を掴み、膝を伸ばして手前に引いてくださ い。ふくらはぎ筋肉を延ばしてくれます。つった筋肉をたたいたりしてはいけません。またつりやすくなります。つりやすいフィンワークは、まだマスターでき てないのかもしれません。バディ同士で足のつりを直すは、相手のアキレス健を片手で持ちもう片方の手を開
いて足の裏に当てて押し、アキレス健を伸ばすです。

6)用具の手入れ 
 いずれも真水で洗って陰干しします。それから、点セットを昼間日なたにおきっぱなしにす ると、紫外線でゴム部分が痛みやすくなります。

7)おまけ
 個人的にはスノーケリングでとても浅い所、胸の着くぐらいの所で小さなハゼやカエルウオなどを身近に観察しながらボーッとしてるのが好きです。健康な海 岸の波打ち際や磯には、驚くほど小さな生物が満ちあふれています。

8)最後に
 このマニュアルの非営利利用は自由です。改編しての利用は危険ですのでやめて下さい。転載希望の方は連絡ください。このマニュアルを利用した結果につい ては、作者は一切責任を負いませんので、自己責任において活用してください。

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96/06

三点セットQ&A

 軽器材(マスク、スノーケル、フィン、ウエットスーツ)に関して、国産品が最も優れていま す。

[マスク] 

 使用 方法次第で快、不快が最も現われやすいものがマスクです。マスクに多少の大小があるので、実際に顔に当ててみて合わせる。マスクベルトをしないでマスクを 顔に押し付け、鼻から息を吸った状態で落ちず、鼻下部たて幅が1cm(小指つめ横幅めやす)以上のもの。鏡でみれば似合うかどうかも分かる。シリコンマス クが普及し、昔からある黒ゴムマスクは少なくなった。値段が倍ほどするがシリコンマスクは、対紫外線に強く大事に使えば10年持つ。取扱上の注意は、鋭い 爪などで強く操作して切れることがあるが、黒ゴムの様なひび割れは起さない。顔への密着も優れ水は入りにくい。値段の安い軟質樹脂製マスクが、発売されて いる。見た目はシリコンマスクと変わらず機能差も少しだが、耐久性で劣る。

Q)買いたてのシリコンマスクが良く曇る?
A)素材のシリコンに油脂が残り、ガラス素材と相性が良すぎてシリコン油脂がガラスに付着し残る為。使用前に歯磨粉を着けた歯 ブラシで強くこする。歯磨粉に含まれる微細なコンパウンドで、シリコン油脂をこすり落とす。

Q)最近はやりのネオプレーン製マスクバンドカバーはフッションだけでは?
A)と、私も思っていたのだが、使ってみてビックリ。マスク装着がとてもスムースで、はずすときの髪の毛の引っかりが解消され た。 ただしマスクバンドカバーはシリコンマスクバンドを中に通すタイプで、シリコンマスクバンドを使わず、ネオプレーン製マスクバンドとベルクロテープ組み合 わせの物は、ベルクロに伸縮性なく使用中によくはずれる。マスクバンドカバーはGULLが開発し(PAT.P)、シリコンマスクバンドの形がメーカーによ り微妙に変わるため、マスク/マスクバンドカバーは同一メーカー使用が望ましい。

Q)排水弁付きマスクはマスククリアが楽?
A)圧力調整のための耳抜きが、片手の指2本でやりにくく、両手指1本ずつの耳抜きになり不便。また排水弁付きのためマスク容 積も増加。排水弁に砂などが挟まると、常時水が入ってくるので便利なものほど取扱いに注意して下さい。

Q)多面タイプマスクは視界が広いか?
A)水中では誰でも視野狭窄状態になり、視界は広がらない。意識した横目使いでもサイドウインドゥに見える視界は、水中での屈 析率 変化で斜め後方となる。多面化によるガラス面積増加は、水面での重量増加・水中での体積増加を伴い、水面ではマスクとマスクバンドが下がりやすく、水中で は潮流下で抵抗増。

Q)子供用マスクは?
A)子供用程しっかりしたダブルリップマスクが必要。まだ顔を水につけれない子供に、ダブルリップマスクを与えたら、風呂でマ スクをつけて遊び始め、次にマスクをはずして顔をつけるを遊び始めた。
ボンヤリとしか見えず目が痛い不快感と不安感の伴う水中が、水の入らないマスクで解消され親しみも得れる対象に変化した。子供用ダブルリップマスクが、少 しずつ増えている。

[ スノーケル ]

 割れにくいパイプ部分の見分け方は、両端をもって曲げようとして全然曲がらないものほど割れやすい。スノーケルは小が大を兼ねる要素ありも、マウスピー スの大きすぎるものはくわえにくく、口内で当たり不快。パイプ径の太いものは呼吸しやすいがクリアしにくい。

Q)スノーケル先端に、水を侵入させにくくするパーツが増えてるが?
A)数年前よりアメリカで流行しはじめたが、体積・重量の増加は水中抵抗の増加・スノーケリング時のパイプ先端が水面につきや すくなるなど欠点も目立つが、効果もあるのでコンパクトな物を選択して下さい。

Q)子供用スノーケルのパイプ先端に弁のついたものは安全か?
A)パイプ先端の弁は、吸気の時水を入りにくくするが、抵抗もあり吸いにくくなる。マウスピース部、下に排気弁もつくタイプな らそ れほど問題なし。子供の呼吸リズムはたいへん早く、水面下にある排気弁はそばから呼吸が確認でき、呼吸死腔を減らすメリットもある。また、最初は子供の場 合水の入りにくい頭の位置が分からず、吸排気弁付きスノーケルもそれなりに効果ありも、慣れたきたら先端弁なしタイプに変えて水の入りにくい頭の位置と、 スノーケル呼吸のリズムを学ばせよう。

Q)マスクバンドとスノーケルを接続するスノーケルホルダーが当たって痛い。
A)私も実は同じ感想で、固いスノーケルホルダーを使用せず以前よりある8字型シリコンゴムで対応。しかしこれではスノーケル が抜けやすい。メーカーの改良を期待したいところ。

[ フィン ] 

 素材がゴムとプラスチックに分かれる。プラスチック製は軽くて 大きくカラフルだが、海水比重に差がありすぎてスノーケリング時にダウンキック筋力を要し足がつかれる。サンゴ礁使用では、傷が良くつき汚くなる。ゴム・ フィンは、海水比重との差が少なくスノーケリング時も楽で、傷もつきにくく長持ちするが、南の海の強い紫外線には柔らかなフィン・バンドが劣化するので、 日向への放置は要注意。べとべとしたゴム部分には、自動車用品のARMOROLLが、内部にまで浸透して回復させる。

Q)フィンワークが苦手でみんなに着いて行くのがやっと?
A)スノーケリングで背泳を練習してみてください。スピードを早めたりの繰り返しでフィンワークがマスターできます。もちろん ゴム・フィンで。スクーバでのフィンワーク・ピッチは、あくまでゆっくり大きくです。ハイピッチでのスピードアップは、呼吸のリズムをくずします。 フィンワーク・ピッチは呼吸リズムと同調するからです。

Q)薄いブーツ(3mm)ではくフルフィット・フィンは?
A)ストラップ・タイプより軽くてフィットするのは確か。サンゴ礁の海で、海底下のサンゴで薄いフルフィット・フィンのかかと 部分が破れる可能性ありも、注意して使用するぶんにはフィンワークが楽です。
私は普通のブーツに合わせたフルフィット・フィンを使用しています。きつめよりゆるめが脱着が楽で、ゆるめでも抜けにくいです。

Q)フィンはゴムとプラスチックがあるが。どちらがいいの?
A)プラスチック製は軽くて大きくカラフルだが、海水比重に差がありすぎてスノーケリング時にダウンキック筋力を要し足がつか れる。 サンゴ礁の海使用では、傷が良くつき汚くなる。ゴム・フィンは、海水比重により近くスノーケリング時も楽で、傷もつきにくく長持ちするが、南の海の強 い紫外線には柔らかなフィン・バンドが劣化するので、日向への放置は要注意。一時期大半のメーカーがプラ・フィンに移行したのに、最近またゴム・フィンが 復活してきた。

Q)子供用フィンはどんなものがよいか?
A)これがまだいいものが少ない。元気のありすぎる子供にはブーツを着けてはくストラップフィンが安全なのだが値段が高くな る。素足にはくフルフィトフィンは、子供の成長が早くすぐサイズが合わなくなる。

[ブーツ] 

 ファスナー付ブーツが主流。ファスナーが短かめのブーツはぬぎはきしにくい。

[ ウエットスーツ ]

 最も長持ちしないScuba用品。しかし保温のために重 要で、しっかり知識を得ておくと無駄な出費を防ぐことになる。昔のウエットスーツは真っ黒なものばかりでしたが、今はとてもカラフルになりすぎたほどで す。カラフルなものは本体のネオプレーンゴム(細かい気泡が入り断熱性を高めるが浮力も増す)に両面にジャージやオペロン生地を接着し、接着面もミシンで 縫つけます。おかげでパウダーをつけるか水中で着用する真っ黒ウエットスーツが、何もせずに着用可能になりました。布で挟まれた分強度も増し、対紫外線に よるゴム劣化も防ぎましたが、生地の増えた分ゴム伸縮性は落ちました。また風の強い海上での濡れた状態では、ジャージに水分が残って強い風で冷やされる クーラー現象で体温が奪われやすいなどの欠点もあります。近年流行の外側スキン内側ジャージのものは、双方の良い点を組み合わせたものです。オペロン生地 は発色が良く、ダイビングのファッション化から生まれたのですが、接着が対紫外線に弱く南の海で長期間使用すると剥離してきます。
 リゾートでよく目にすることでは、5ミリワンピースのウエットが太ったのかきつくて着れない現象です。これは太ったのでなくウエット縮小が原 因です。特に手首の細い女性に多く、ウエット着用に苦労します。3ミリも縮小しますが薄い分だけ伸びるので、気がつかないだけです。オリジナルデザインで 10万程もしたカラフルウエットスーツ がこれではたまりません。近年では良く伸びるネオプレーンゴムの開発が、ドライスーツネック部分使用から進み、従来の倍以上伸縮する素材がその伸びに合わ せた生地とで使用されるものも目立ち始めました。素材自体の値段が高いので、部分使用で工夫してます。これも外側がスキンのものが多く、ファッション化に よる外見優先からやっと使う人に望ましい機能優先に変わってきたわけです。しかし安いものではこれら新ネオプレーンゴム利用は無理なので、安いものを使い こなすには極力3ミリウエットスーツを重ね着などして水温に対応させる方法しかありません。

ダイビング用ウエットスーツの形は、長袖長ズボンのワンピースが中心で、ファスナーも着やすいバックファスナーが主流です。半袖長ズボ ンのシーガルは、日焼けやサンゴ傷に不利です。

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96/12/09

  宇井純『日本の水はよみがえるか』

 宇井純を知っているかい。と質問したくなるにはこんな訳があります。
朝日新聞若手記者から“社のデーターベースでウイと良く出てくるけどウイって何ですか?”と聞かれてガックリきた。
朝日新聞データーベースの馬鹿野郎と叫んでも、仕方ない。と思っていたら、そんな若手記者に読ませる本が出ました。
記者クラブでもらった情報だけの、どこよりも駄目な日本のマスコミは、入社試験にこの本の感想レポート審査で改善できます。翻訳されると日本研究の教科書 になってしまいます。

 長い前おきすみません(^^;。

 宇井純は東京大学都市工学科助手で21年居て助教授にもなれず、しかし70年 から自主講座「公害原論」を15年継続し、水俣病や石垣 空港 問題では影で重要な活躍をしている。86年から沖縄大学教授。10年ほど前、石垣の赤土流出で自宅まで訪ね改善策を聞いたら、「元から絶たなければ駄目」 とあっさり言われてしまった。最近は、与那国島や宮古島から汚水処理や地下水問題で相談を受け、ボランティアかと思える安い費用でアドバイスしている。

 この本には、このどうしようもない日本という現実への深い分析と批評がありま す。
元厚生大臣、官直人の愛読書だった「人間を幸福にしない日本というシステム」カレル・ヴァン・ウォルフレン著より具体的。宇井純しか知りえなかっ た公害闘争における行政側の対応と協力した御用学者実名公表などが、幸福にしないシステムをとても分かりやすく教えてくれます。日本の公害多発と今現在の 官僚腐敗まで、あからさまに理解させてくれる感動は比較するものを知りません。
 私達がこのどうしようもない日本に生存しながら、なおかつ今後も生存する上で、どのように存在すべきかを考えさせてくれます。この本がどれほど読まれる かで、日本の未来が変わります。

 11章、沖縄―日本列島の縮図は、最良の沖縄環境レポートです。
各章の最後に紹介される参考文献も素晴しい。宇井純のコメントを参考に、環境を学ぶ読書計画がつくれます。

『日本の水はよみがえるか』宇井純 NHK出版 ¥1000 第1刷 96/6/20

「沖縄サンゴの海を取り戻す住民訴訟」第1回意見陳述97年1月27日

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97/01/14

WWF、スーザン・ウェルズさん

 昨年12月16日、WWFインターナショナル海洋担当スーザン・ウェルズさんをガイドしまし た。当日はこ の時期にしてはめずらしい穏やかな海況で、予約時より考えていたポイント、オニヒトデ被害から蘇生したサンゴ群落景観の見事な、なおかつまだ他サービスに 盗まれてない「秘密の花園」ポイントに案内しました。

 外洋に向かって連なる尾根上には、キンギョハナダイ・アカネハナゴイが桜吹雪のように群れ、尾根の先端からはウメイロモドキ・タカサ ゴが視界をう めつくす程舞い、時折イソマグロのグループが視界の隅を駆け抜ける、その水深15M程のところからは尾根の下水深30Mまで見渡せる透視度でした。
 多種多様なサンゴをじっくり観察していくスーザン・ウェルズさんにあわせて尾根と尾根の谷間を浮遊したあと、船上での最初の質問はここのポイントでオニ ヒトデが見られたのは何年前でしたか?です。
 石垣島のサンゴの実力を見せようと思っていたのに、さすがWWF海洋担当です。見事に見抜かれました。蘇生したてはサンゴの大きさが均等で、サ ンゴ生態から捕えても活力に満ちあふれ、見る人に生の息吹を与えるほどなのです。春の新緑がキラキラと輝いて心浮き立てるように。しかし心浮き立つ「秘密 の花園」ポイントも、使い始めて半年ですがごく一部とはいえ白化したもの、白化しかかっているものがありそのことがひっかかる。
 午後はコブシメ産卵ポイントをガイドしたが、産みたての卵(真円になっていない白く形が少し円筒)は確認できたもののコブシメは見れず。

 店に帰ってログをつけ、通訳を介して造礁サンゴ及びサンゴ礁生物群はCO2を固定化するか否かを議論するも時間がなく中断。
 夜の講演会ではサンゴ礁保護の海外でのWWF活動が紹介された。大変参考になったことは、その取組がいずれも費用をさほどかけない(費用がない)、しか し効果の高い啓蒙、教育的内容であることだった。
 しかし日本の行政には費用をかけないということの意味がわからない。石垣市長が最前列に陣取り、サンゴ礁はCO2を固定化するか否かと質問した。スーザ ン・ウェルズさんはまだ研究途上で正確には解ってないが、放出しているとしても極微量と答えた。

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97/01/14

オニヒトデ

昨年末より沖縄本島恩納村海域で、オニヒトデ異常発生が確認されて駆除作業が行われています。 オニヒトデ異常発生原因については、様々な説があります。(ダイバー2月号、もっと知りたい海の話11、オニヒトデ大発生の原因、文/植田智士参照)

 私が最も信憑性を抱く説は、宇井純『日本の水はよみがえるか』で述べている陸域有機肥料その他の有塩基類が、台風や集中豪雨で海域に 多量に流れ込み、オニヒトデの繁殖率を高めるとの説です。

 沖縄本島周辺では、サンゴがよみがえるとオニヒトデが発生する状況が、小規模ですがあちこちで継続していました。

 ちなみにオニヒトデがサンゴを捕食する大きさは、産卵から3、4年後の成長したものです。また過去のオニヒトデ駆除事業は、成果が疑 問視 されており間引きして生存期間を伸ばしている、あるいは予算が産卵時期後に出る現状の制度が駆除効果を低めているなどの意見が出ています。なお現在までの 駆除事業に費やされた公費は6億円に及ぶとのこと、異常発生の基礎調査費はゼロです。

 25年前鳩間島海域から確認された八重山のオニヒトデ大発生は、10数年間で八重山の全域に渡って一部を除き壊滅状態にしましたが、 現在オニヒトデを見ることもなく廃虚だった海域に見事なサンゴ礁がよみがえっています。(まだ一部ですが)

 しかしその回復した見事なサンゴ礁の背景には、オニヒトデ大発生の危機が常にひそんでます。なぜなら異常発生の原因解明はおろか、赤 土流出も含めサンゴ礁への配慮はなにも出来ていないからです。

 大発生を確認したら、なにもせずサンゴ礁を食い尽くして滅びるのを待つが最良の対策です。大発生ではなく単体で確認したときは、なる べく大きな死んだサンゴ岩をオニヒトデにのせて動けなくすると、数日でぼろぼろになって死んでしまいます。
リーフエッジの季節風による砕け波もオニヒトデの強敵で、リーフ外のサンゴ礁を食い尽くしてリーフ内によじ登るとき、砕け波で死にます。オニヒト デのトゲだけが、多量に散乱したリーフ外の砂地を見ました。リーフエッジの入り組んだ地形内だけは、冬の季節風でオニヒトデの食害からまぬがれたのです。 白保のサンゴ群落もしかりです。
10数年前、サンゴの残っているポイントをさがしていて解ったことです。ダイビングサービスには使用されない浅い海域が連なる、西表島と石垣島間の石西礁 湖内では外洋水循環頻度の低さから、回復度が遅いままです。

 モルジブ、タヒチ、マブールなど世界のサンゴ礁域でオニヒトデ大発生が継続しており、10年を経ても回復の兆しが見えないところもあ ると 聞いたこと覚えがありますが、不確かなので再度確認して報告します。それから、かっての八重山でのオニヒトデ大発生では、竹富島近海で1平方Mに130匹 程のオニヒトデを観察したとの記録があります。

#参考文献
「石垣島・白保 サンゴの海」 目崎茂和著  1988初版 ¥2400 高文研
「ニライカナイの島々」―沖縄の自然はいま― 1988初版 ¥1800 築地書館 3章 サンゴ礁を考える 山口正士

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97/01/14

元旦マンタ

今年の元旦は奇蹟のような快晴微風でした。
朝、雨が降っているものの小降りでやみそうな気配。波穏やかで北西の微風。
北に向けて船を走らす。雨は上がり青空が覗き始めた。この日だけのお客さん1人を竹富島で拾って総勢20人。昨日の予約の電話ではマンタが希望とのこと。 大晦日も川平石崎でマンタに会えたけど、ええいマンタは何度会っても楽しいから行っちまえ。

川平石崎は昨日よりもまた波穏やか、エントリーして透視度の良さに驚く。50Mはありそう。5分もせず雄の体長3Mを見つける。私を追 い抜いてク レッシイサブ・ロンディンガラ・フルフィットのお客さんが、フィン大きく上下に振って白い気泡を舞いながらマンタに回り込む。なんてことをするんだ!怒り の火花をブラックシリコンマスクの奥からぶつけ、手を振って離れろと合図を出す。
火花は届いてロンディンガラはマンタをふさぐ位置から離れた。
私の後ろには松山カッパダイバーズのレスキューダイバー、キンちゃんが、マンタとの間合いを私から盗みとろうとぴたりとついてくる。
他のツァーインストラクターから頼まれたニコノスRSを手に、マンタから目を離さず一定距離をとりながらゆっくり回り込むと、マンタはホバーリン グに入った。他の18人のダイバーの排気が白いカーテンになって、マンタの背景を彩っている。ここでやっとニコノスRSのファインダーを覗く。20ミリで はマンタが小さくなり35ミリでは後ろのダイバーが切れる。近ずくとホバーリングを中止するので我慢する。円を描くホバーリングでは、こちらに近ずくと退 き遠のくと前に出て10数回シャッターが押せた。
時間にしてどのぐらいだろう、10分ほどだろうか。しかしそれは、時を忘れる至福の体験だ。エキジット後の船上ではみんなワーワーさわいでた。

気温25度、水温23,5度、黒潮の支流が入り込み昨日より0,5度水温上がる。透視度は昨日30Mからグンと上がった。
 
マンタウォッチング紙芝居 15 枚組み
Manta Watching Data

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96/02

CO2とサンゴ礁

 ヨーロッパ海洋研究所海外研究グループによる熱帯域調査で、「サンゴ礁はCO2の放出域」報告がされました。これは刺胞動物に属するサンゴも、 酸素呼吸でCO2を多量に放出し、骨格をつくる石灰質も海水中に溶け込む様々な物質の複雑な科学変化によって作られたと。

 そこに、95/7通産省地質調査所など研究グループが米科学誌サイエンスに「サンゴ礁はCO2を吸収し海水中のCO2濃度を下げる」 との、石垣島白保での観測データをもとにした論文発表、そして95/10宮古島国際調査となったのです。
ちなみに国際調査は通産省委託、地球環境産業技術研究機構主催とあり、なんだこれはなのですが、サンゴ礁の理解前進では評価できます。最近のマリ ンダイビングに載る茅根創氏(東大海洋地質学助教授)は通産省研究グループに属します。なお研究名目は、米日豪三国共同地球環境CO2増加問題におけるサ ンゴ礁役割で、この国内担当は通産省で、そして環境産業?のコンセプトになってしまう。

 ところが東北大学理学部教授西平守孝氏を中心としたサンゴ生態研究は、刺胞動物のサンゴよりも共生する褐虫藻(単細胞生物ゾーキサン テラ) に琉球大学教授時代から注目しており、その褐虫藻がサンゴの排出するCO2、骨格形成時のCO2、海水中のCO2まで光合成に利用して酸素に作り替えてい る ことを解明してきました。それだけでなく褐虫藻の光合成産物がサンゴの繁殖に使われているまで解明されていますが、褐虫藻がサンゴの細 胞内にあるため生産量の測定が難しいとのことです。

 「サンゴ礁はCO2を吸収し海水中のCO2濃度を下げる」も、1986年発刊、西平守孝編著「沖縄のサンゴ礁」5章サンゴ礁の科学− 水と炭酸塩鉱物からみたサンゴ礁−大森保、渡久山章、大出茂によって、石垣島川平湾での観測データがすでに報告されています。これは、海水中の カルシウム濃度、塩素量を潮汐とともに観測したものです。

 学術実証を待たなくても、サンゴ礁生物群によるC02固定化は十分考えられ、サンゴ以外にも星砂など有孔虫、貝類、ウニ類などを合わ せた固定化量解明が、早く訪れてほしいものです。

 国内サンゴ礁研究グループは沖縄からスタートしたと言ってもよく、大きく分けて西平守孝氏のサンゴ生態研究グループ、白保WWFJ調 査を10年間継続する目崎茂和氏グループ、現琉球大学サンゴ礁地質学グループがあります。
西平守孝氏の褐虫藻研究は、国際的に見てもサンゴ礁研究の最先端にあり、今後のサンゴ礁CO2吸収立証を期待できます。

〈参考文献〉
*サンゴ礁の秘密−彼らは“地球の肺”である−中村庸夫著 祥伝社出版 ¥700 94/7初版(文庫本)
             水中写真家のフォトエッセイ、ダイバー向けで読みやすい。

*サンゴ礁−生物が作った<生物の楽園>−西平守孝グループ著 平凡社出版 ¥2400 95/6初版
最新のサンゴ礁研究も専門的。

<森林の二酸化炭素固定量は収支ゼロ>は、原生林など成長が限界に達したものでの話であって、成長過程にある森林において は固定してい ます。CO2から話題がずれますが、森林生態学成果では地球の水循環における森林の働きが解明され、アメリカはダム建設を計画しない決定をしました。

頼みの綱はサンゴしかないと思ったのですが、「海の熱帯林、サンゴ礁」のキャッチコピーに不満を感じるより、サンゴの理解が進んだこと を評価すべきなのですね。

NHKで放映された「地球大紀行」の背景には、地球創生期の生物生存が不可能な陸上大気を、生存可能な大気に変えたのはサンゴとの推論 があります。金星/火星と地球の大気組成を比較すると、CO2は金星/火星が97%.95%に対し地球は0.033%しかなく、窒素は金星/火星が2〜 3%し かないが地球は78%もある。酸素は金星/火星はほとんどなく地球は21%もある。三つの惑星は同じ組成の物質からなりたち、原始大気・組成も似ていたは ずなのに地球だけにCO2減少が起きた。それは水の存在とサンゴ礁の誕生からではないか?地上にあるサンゴ等生物起源・石灰岩をすべて溶かすと、地球創生 期の大気に戻り金星・火星に近くなるとの計算も可能。

サンゴのCO2固定化から少し話を戻して、地球温暖化からCO2削減までの関連知見を整理して見ます。

  1. 化石燃料消費が大気中のCO2増加原因ではない。大気中のCO2増加に含まれるC14は化石燃料に存在せず、現在増加する CO2の 起源は、森林伐採・農地の宅地化・サンゴ礁減少などによるCO2増加と考えられる。
  2. エントロピー論からCO2循環の物質収支をみると、CO2増加率は低すぎて実際増加率の半分がどこかに吸収されている。それは海 洋以外考えられな い。しかし海洋のCO2吸収能力については、ほとんどわかってない。海洋のCO2吸収能力がCO2循環を支配している可能性がある。何らかの原因で海水温 度 が上昇すると、海洋のCO2が放出され地球温暖化が加速する。
  3. 海洋中のCO2を炭酸カルシウム等に変え海底に固定しているサンゴやプランクトンの働きも、解明されているわけではない。
  4. 化石燃料もサンゴ礁生物起源説が有力で、アメリカの石油探査会社がサンゴ礁・生物起源をもとに探査して成果を上げている。
しかし、地球上のサンゴ礁面積測定すら確立しておらず、地球上の炭酸塩・堆積物量も、研究者によっては3倍以上の開きがあります。成長量の測定に至ると 学術的立証は、みとうしさえたたない状態です。

 96’10/21 琉球新報「サンゴ礁はCO2の吸収域か放出域か」からです。

>ヨーロッパ海洋研究所ガッツウソウ主任研究員ら
>熱帯域調査で「サンゴ礁の有機物としてのCO2固定量がほとんどゼロ」として
>「サンゴ礁はCO2の放出域」とする報告をおこなっている。

「有機物として」とあることから生態学分野の報告と推定されます。生態学研究は、サンゴ礁域全体の食物連鎖は含まない、サンゴの生理解 明に 集中してます。褐虫藻など対象が微細なことから走査電子顕微鏡も使用されているようです。CO2削減国際協力で浮上した「サンゴ礁がCO2吸収か否か」の 現状で、解答ではありません。しかし、地球環境の危機がいわれ始めた当初は、熱帯雨林の保護ばかりでサンゴ礁のCO2吸収は誰も取り上げていませんでし た。温暖化危機からCO2削減を経て浮上してきた「サンゴ礁の働き」は大きな前進です。

重複する部分がありますが、引用する際省いたものや修正を付け加えて書き込みます。
タイトルは<CO2削減で急浮上するサンゴ礁CO2吸収能力研究の現状>とでもしましょうか。

 95’7/14 琉球新報「サンゴ礁がCO2を吸収」からです。

>通産省地質調査所と同計量研究所など研究グループは、海水中CO2濃度測定に
>小型の装置を開発して石垣島・白保で93’3月と 94’3月各々3日間ずつ
>海水中のCO2濃度と日光の強さを連続測定した。その結果、CO2濃度は好天で
>光量の多い日中ほど低くなり、最小で160mm。逆に夜間は520mmまで上昇した。
>昼間は光合成でCO2を吸収、夜間は呼吸で放出したとみられる。
>白保の海のCO2濃度は大気や外洋測定値より低く、サンゴが呼吸時や石灰質を
>つくる際に放出する量を光合成による吸収量が上回っていた。
>研究グループ茅根創氏(東大海洋地質学助教授)は「全世界のサンゴ礁の
>吸収能力は人類の排出量の2%に当たる。サンゴ礁を保全管理したり工学的に
>能力を高めることで自然界の吸収源を増やせるのでは」と話してる。
>茅根創氏、別の記事では、白保の数字を単純に適用すると、全世界のCO2排出量
>の5%が吸収可能。

「人類排出量の2%」は、ハワイ・マウナロア観測所測定で、年1%の炭酸ガス濃度増加200億トンからだと4億トン吸収になる。白保の 数字5%だと10億トン。試算数値は、1986’消費化石燃料からでるCO2推定値200億トンと一致も、10年前のものなのであくまで仮定値としてみて くだ さい。2%の根拠となる地球上のサンゴ礁面積数値は記事にはありません。「工学的に能力を高める」は、通産省の方向性のようです。これは学術的にも社会常 識からも間違った発想です。保全管理も出来ずに産業化などは馬鹿げていますし不可能と断言できます。そもそも地球環境の危機はこのような人間の思い上がり が原因だからです。

 西平守孝編著「沖縄のサンゴ礁」5章サンゴ礁の科学−水と炭酸塩鉱物からみたサンゴ礁−大森保、渡久山章、大出茂からです。

>海水中のカルシウム濃度、塩素量を潮汐とともに1981’7月、10月、12月
>に石垣島川平湾水道部で観測したものです。7月の観測時、最初の干潮で
>カルシウム濃度の減少が認められ、これを湾内生物固定による変化と推定し、
>3.3g/m2・dayと計算。10月は1,5g/m2・day、12月は検出できずで10月の
>1,5g/m2・day使用で沖縄のサンゴ礁で1年間に固定される炭酸カルシウム量の計算結果は、
>0.55(kg/m2・year) X 797(km2) X 10の6乗(m2/km2)=4.4X10の8乗(kg・year)

44万トン固定になり、世界試算で2,2億トンになります。世界試算のサンゴ礁面積数値は、私がどの本か忘れたけど引っぱり出してきた もの です。また、使用数値1,5g/m2・dayは、ハワイ・フロリダ計測値より低いとあり、観測地選定に問題ありです。川平湾内は黒真珠養殖と赤土流出によ る汚染で、健康とはいえないからなのと、沖縄のサンゴ礁炭酸カルシウム固定量はハワイ・フロリダより低いわけがありません。関連する数値として、 地球全体の植物による年間固定量3000億トン、海洋の吸収量4000億トンの推定数値が出ていました。

 96’4/7 琉球新報からです。

>日本を含む東アジア・太平洋地域・各国協力「サンゴ礁保全戦略」まとまる。
>戦略は、1) 陸上からの汚染物質の流入削減や、
>    2) サンゴ礁に配慮した開発、
>    3) サンゴの生息状況の監視といった具体的な行動を盛り込んだ。
>日本政府は来年度、戦略の進み具合を検討する国際会議を誘致。
>戦略の中で設立が提案されたサンゴ礁監視ネットワークシステムへの資金や
>技術協力を検討する。
>戦略の中心になる沿岸管理の項目で、各国はサンゴ礁保護地域の設定や、
>開発とサンゴ礁保全が両立できるような、沿岸の管理体制を整備。
>戦略ずくりは、日米両国が中心となって昨年より進めているサンゴ礁保全計画
>「国際サンゴ礁イニシアチブ」の一環で、オーストラリア、フィリッピンなど
>11カ国が参加してインドネシアで3月に開いた会議で採択。

「国際サンゴ礁イニシアチブ」は大賛成で、「サンゴ礁の働き」研究が前進してくれることを期待するのですが、問題なのは具体的対応の遅 い日本側で、沖縄の赤土問題を何ら改善してないことや、行政訴訟まで始まっていることを、他国に何と説明するのでしょうか。

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97/04/28

諫早湾・潮止めに至る軌跡

ムツゴロウさんからの初めてメールは、なんの前触れもなく訪れ、
こんな書きだしで始まった。

>97/ 2/ 7  00:26
>諫早湾自然の権利訴訟原告団代表の原田敬一郎と申します。
>山下弘文から干潟と同じように大切な海がさんご礁の海だと聞かされています。
>同じ地平線の上で同じ方向を見ている仲間にエールを贈ります。
>足下の海は自分達で残しましょう。
>良い風がふき始めています。

私が諫早湾自然の権利訴訟を知ったのは、この時が最初でした。
同封された自然の権利訴訟意見陳述書は、なぜか忘れかけてたさわやかな感動をあたえてくれ、干潟と共に生きた自然への感謝、干潟生態系の意味、干拓事業の 経過など情報と感動があふれていた。

その後、ワープロから発信されてくるムツゴロウさんからのメールを、ネットワーク上に転載する作業が私の出来る唯一の協力となり、今日 までに転載したメールは35通にもなった。

#印は、開発推進派と農水省の動きです。

 2月16日(日)沖縄で開催さた国際サンゴ礁シンポジウムで環境庁長官石井道子氏に日本湿地ネットワーク山下弘文さん
       要望文手渡す。

 2月19日(水)パソコン通信で中傷、ムツゴロウ原告団が提訴へ。
      農水省出向職員による地元民を装った干拓事業宣伝に対して同省と職員に慰謝料を求める訴訟を長崎地裁に
      起こす。出向職員はニフティサーブ自然環境フォーラムにおいて「どうきん」と名乗って地元民を装い、
      干拓事業賛成の意見を投稿した。

 2月23日(日)干潟の掃除。120人参加。

 3月06日(木)東京要請行動。陳情者  山下弘文 日本湿地ネットワーク代表
                   富永健司 諫早湾干潟研究会代表
                   執行利博 日本野鳥の会事務局長
                   田中二三子 干潟を守る婦人の会代表
                   龍田紘一朗 諫早市議会議員
                   原田敬一郎 諫早湾の干潟のゴミを拾う会代表
                   岩永賢一 諫早湾を守る国際市民の会事務局長
 
       ニフティサーブ自然環境フォーラム事務局長、農林水産省に「どうきん」問題で要請文を提出。

 3月10日(月)締切り工事続行禁止仮処分命令申立て。

# 3月13日(木)県知事、諫早市長、周辺8町長とその議会議長や県農協団体などからなる諫早湾干拓協議会諫早市内で
       開かれる。

 3月15日(土)佐藤謙一郎衆議院議員(民主党)視察。

 3月16日(日)抗議行動。

 3月17日(月)予定潮止めが延期。

 3月19日(木)締切り工事続行禁止仮処分命令申立書を受けての双方審尋(非公開)

 3月26日(水)諫早湾自然の権利訴訟・第二回公判。

 3月30日(日)干潟の掃除。

 4月04日(金)締切り工事続行禁止仮処分命令申立書を受けての双方審尋(非公開)

# 4月06日(日)早急な締め切りを願う地元住民集会と決議。

 4月11日(金)新団体結成『長崎公共事業チェックネットワーク』。
               旗揚げ日時4月27日10時より干潟の掃除、昼食後旗揚げ式。

# 4月11日(金)農林水産省は、堤防閉め切りを14日実施すると発表。

# 4月14日(月)潮止めのギロチン大虐殺。

 4月24日(木)潮受堤防の締切に抗議の共同記者会見  (財)世界自然保護基金日本委員会 WWWFJapan   
                          (財)日本野鳥の会 WBSJ           
                          (財)日本自然保護協会 NACS-j       
                           日本湿地ネットワークJAWAN         
                           諫早干潟緊急救済本部              
                           諫早干潟緊急救済東京事務所           
 
 4月27日(日)干潟のいきもの救出作戦
 
 4月28日(月)菅直人、鳩山邦夫、両民主党党首以下総勢12名が国営諫早湾干拓事業の視察に28日諫早を訪れる事が
       決定。
 
 4月29日(火)諫早湾干潟の生物観察 鹿児島大学理学部環境生物学研究グループ公開講座
 
 5月19日(月)第2回、東京要請行動計画中。

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97/11/13

ジュゴン情報が公開されたけど

 1997年の2月ごろ、他ネットの「海中の固有種・絶滅危惧種」調査で沖縄のジュゴン情報を整理しようとして行き詰まり、国 営沖縄海洋博記念水族館に問い合わせると『情報はすべて整理してあるが、公開すると漁業への影響が予想されるので公開してません』との返事。定置網、さし 網での捕獲が多いようで、自然保護問題への発展を危惧してとの事でした。

 この未公開情報が米軍の海上基地建設反対のために公開され、琉球新報(1997/11/12)に載りました。
以下の * 印がそうです。また今年10月の米軍海上基地建設案・現地調査中に遊泳するジュゴン1頭が目視されたことには驚かされ、よく公表してくれたものです。

  1965/10/25 伊良部島佐良浜、 雄、体長 215cm、体重 350kg  追い込み網。
                           (この骨格標本は現在琉球大学風樹館に展示されている)
  1974/06   本部半島沖 瀬底島沖合い 琉球大学、吉野哲夫氏目撃。
  1979/01/18 名護市嘉陽沖、  雌、体長 159cm、体重 95kg   刺し網
                   (2〜3歳の雌で、生け捕り捕獲も沖縄海中公園に収容され、33日間で死亡)
  *1982/03/27 宜野座村漢那   雄 体長 251cm 体重 267kg  死体漂着  
  *1984/04/24 具志川市(金武湾)雄 体長 262cm 体重 不明   死体漂着
  *1988/01/04 佐敷町富祖崎   雌 体長 251cm 体重 290kg  死体漂着 
  *1988/01/14 宜野座村古知屋  雄 体長 187cm 体重 146kg  死体漂着
  *1990/05/16 名護市嘉陽    雄 体長 117cm 体重 39kg  刺し網
  *1992/05/09 金武町      雄 体長 200cm 体重 173kg  定置網
  *1992/05/09 金武町      雌 体長 266cm 体重 374kg  定置網
  *1993/12/04 金武町      雄 体長 196cm 体重 不明   定置網
  1995/12/28 名護市安部    雌 体長 290cm 体重 560kg  定置網 (妊娠中の可能性あり)
  *1996/01/15 今帰仁村古宇利  雄 体長 300cm 体重 不明   定置網
  1997/10   海上基地建設案・現地調査中、遊泳中のジュゴン1頭を目視。

 これら以外にも、刺し網にかかり生きていたものを逃がしてあげた例を加えると、沖縄本島東海岸がジュゴン生息海域である可能性はかな り高くなります。14例中250cmを超える成熟個体が6例あり雄雌比は8対4で繁殖海域の可能性もあります。

 残念ながら八重山には死体漂着例も復帰後聞かないのですが、東海岸では1979年から1997年まで18年間で11例あるわけです。 1997/11/12の琉球新報によると日本自然保護協会が今年度より、環境庁も3年計画で調査を開始するとのことです。

 そしてついにというか、やっぱりというか、ジュゴンが確認され、1998/01/13に日本TVのヘリで1時間にわたり撮影されまし た。 それも海上基地予定地のど真ん中でのことです。この時期に他のTVクルーもジュゴン撮影をねらって、辺野古沖に数社の水中撮影班が来ていたそうです。 日本TVのヘリも3日目だったとのこと。ジュゴンは体長約3m、体色は白で背中が華やかなピンク。 野性のジュゴン撮影は、国内初の快挙です。

 辺野古沖でのジュゴン確認には、なにかとても象徴的な比喩を感じます。

  1. 国内の自然環境をまともに調べもせず経済成長のみを求めた国策の反省
  2. 今後も情報公開されないだろう日米安保秘密主義へのしっぺがえし
  3. 陸域キャンプシュアーブ基地のお陰で守られた海域藻場の皮肉

などなどです。また機会をみつけてジュゴンの情報をお届けします。