八重山毎日新聞
1999年 2月18日(木)

「農家も土地改良の被害者」

赤土汚染で漁業者が学習会

莇和義講師 設計批判、連携行動など訴え

 水産業と赤土汚染の関わり合いをテーマにした学習会が17日午後、八重山漁協で開かれ、講師を務めた莇和義さん(県水産業中央会の前 赤土等流出防止対策作業部会長)は、赤土汚染の原因追究や対策の実現を行政に迫っていくにはどうすればよいのか、漁業者らに実践的なアドバイスを行った。 また、「農家は赤土汚染の加害者ではない。土地改良後、表土が流れ出すような土地で耕作しなければならないようになった被害者。農家と漁業者、行政が話し 合って赤土問題を解決すべき時期に来ている」などと提言した。
 同学習会は、養殖や観光農業を推進するうえで、沿岸域の重要性が高まる一方で、その海域にダメージを与える赤土汚染が深刻化していることから、八重山支 庁農林水産振興課が開催したもの。
 莇さんは、農地から赤土が流れ出す様子をスライドで紹介しながら、「アスファルトの農道が排水路代わりになり、農地から赤土が流れ出している」と土地改 良の設計の在り方を批判。
 そのうえで、赤土汚染への取り組み方について、「雨が降って天気が荒れているとき、漁に出られない漁業者が現場を調査し、発生源を特定すること。それを 地元の保健所と県本庁の担当者へ同時に提出して対策を求めていくこと。地道に訴えていくことが大事」などとアドバイス。大雨のときには、雨量が多過ぎて発 生源の特定が難しいが、少ない雨量の時の方が、赤土流出の経路をつかみやすい−などと具体的に助言した。
 また、農家と連携することの重要性も説き、「農家と漁業者が互いに声をかけ合っていかないと、赤土対策は難しい。農家と漁業者が話し合える場が必要だと 思う」などと述べた。


漁業者の立場から赤土問題の解決に走り回ってきた県水産業中央会の前赤 土等流出防止対策作業部会長、莇和義さんは、17日に開かれた漁民向けの学習会で、汚染源や対策の追及方法についてかなり実践的なアドバイスをした。会場 には、市民グループをつくっているダイバーや市議の姿もあり、当の漁民よりも発言が多いほど。市や八重山支庁が「白保海域環境保全対策協議会(仮称)」の 設立に向けた準備作業を進めている時期だけあって、関心はなかなか高かった。赤土にかかわる人たちがいかに連携していくかが、これからのポイントになりそ うだ。