八重山毎日新聞
1999年 1月24日(月)

ズサンな農地造成を確認

赤土流出現場を見る会

市民ら30人が参加


 ダイビング関係者ら約30人で組織する「赤土の流出を考える会」(大浜雄二代表)は23日午後、吹通川と西浜川上流で「赤土流出現場を見る会」を開き、 市民約30人が参加した。
 同会は河川や海域の赤土汚染の原因について考えることを目的に去る14日に発足。当面は西浜川と吹通川への赤土流出問題について、その原因と見られる農 業生産法人が上流域で行った大規模な農地造成工事の問題点などについて取り上げていく方針。
 今回の赤土流出現場を見る会では、両河川上流域の同農業生産法人が実施した農地造成現場を視察した。
 晴天で実際に赤土が流出している現場は見られなかったものの、両造成現場とも造成や切り盛土した法面(のりめん)への防水シートや種子吹き付けなどの土 砂流出防止対策がなされていない工事の実態を確認。
 また、「赤土で造られた上に沈砂地の容量が小さく、雨で崩壊した跡」(吹通川上流)や、「2段階式の沈砂地が崩壊し、ビニールシートで応急処置してある 状況」(西浜川上流)などを確認した。
 参加した男性の1人は「すさまじいの一言」と、ずさんな流出防止対策にあきれ顔。
 また、市議の宮良操さんは「企業有地、組合有地といっても市民団体に指摘されてから動くようでは行政の怠慢。自然、環境保護とも直接結びつく。個々の課 で対応するのではなく、全庁規模で総合的な対策が必要」と話した。
 

23日午後、吹通川と西浜川の上流で行われた「赤土流出現場を見る会」 で、両河川上流で農業生産法人が実施した農地造成工事の赤土流出防止対策のずさんさが露呈した。赤土による海洋汚染が問題化し、公共工事関係で赤土流出防 止に神経がピリピリするなか、両現場は赤土で沈砂地を造っただけ。公共工事で施される周辺のグリーンベルトや法面(のりめん)への種子吹き付け、防水シー トなど土砂流出防止対策は皆無の状態。このずさんな状態に参加した市民もただ驚くばかり。