オニヒトデ発生で対策連絡会議
最重要保全区域など設定へ
第3回八重山地区オニヒトデ対策連絡会議が17日夕、環境省の国際サンゴ
礁研究・モニタリングセンターで開かれ、八重山地区のオニヒトデ対策について話
し合った結果、大発生を防ぐための予防的な駆除を行う海域と、大発生してしまった場合に最終的に保護すべき海域(最重要保全区域)を定めたうえで、発生状
況を把握するためのモニタリング調査と駆除を継続していくことを決めた。
同会議には、水産業やダイビングの関係者、環境省や県、石垣市、竹富町の担当者ら合わせて約30人が出席した。
財団法人自然環境研究センターのまとめによると、今年1―10月に八重山地域で実施したオニヒトデの駆除作業の結果、八海域でオニヒトデの大規模な集団
が形成されていることが分かり、この八海域では合わせて2千122匹を駆除した。
こうした駆除作業やモニタリング調査の結果、黒島北東沖、マルグー、竹富島南、ユイサーグチ、カナラグチ、名蔵湾で、オニヒトデの個体密度が高いことが
分かり、予防的な駆除を実施する海域とすることに決めた。
最重要保全区域は、関係機関の間で合意を図りったうえで設定することとし、12月に開く連絡会議で決めていく。
同区域を決める判断材料としては▽サンゴ幼生の供給源である海域▽オニヒトデ以外のかく乱要因である白化や赤土の堆積の影響が少ない海域▽潮流の状況や
広さなどから保全しやすい海域▽漁業や観光などで利用するうえで重要な海域―などの材料が示された。
これに関連して、意見交換では「(水産業や観光などの)仕事によって利用する海が違う。(同区域の設定は)合意を得てやってほしい」との要望が出た。
また、どのような状態をオニヒトデの大発生と判断するかについては、専門家の判断を仰ぎながら、目撃数や目撃された海域の数に基づいて判断していくこと
になった。
この日は、これまで実施してきたモニタリング調査や駆除活動について報告があり、同センターは、同じ海域で駆除を続けているのに、駆除される個体数が減
らないケースを挙げて、「周辺からのオニヒトデの移入や、幼生らの新規加入が、継続的に、多量に生じていると推測される。オニヒトデが大発生する危険性は
ますます現実的になってきた」とした。
八重山漁協側は「定期的に駆除を続けていかなければ、オニヒトデの増加を食い止めることができない」と報告した。
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八重山地区のオニヒトデ対策について話し合った第3回八重山地区オニヒトデ対策連絡会
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