八重山毎日新聞
2002年11月29日(金) 

農家協力で意見交換

轟川流域赤土対策委

条件整備の指摘相次ぐ

 轟川流域農地赤土対策推進検討委員会の第2回委員会が28日午後、八重山支庁で開かれた。委員からは、農家に赤土対策を協力してもら うのに必要な条件整備について意見が相次いだ。
 このなかで、「農家自身が組織を作り、(赤土対策に協力するのに必要な)条件を出し、行政側がそれを支援してはどうか」、「農家に赤土対策の計画づくり に参画してもらうべきだ」といった提案があった。赤土汚染の被害を受けている漁民の意見を重視する声も出た。
 宮良川土地改良区側からは、農家が赤土対策に消極的な理由について「圃場のこう配修正の期間に作物が作れない。グリーンベルト設置によって耕地面積が減 る。給料なしで3−4カ月間を過ごすということはできない」といった説明があった。
 この日の委員会は、本年度内に行う(1)赤土発生部調査(2)デモ圃場の設置(3)アンケート調査(4)モニタリング(5)地域情報整理−の5点ついて 話し合いながら、意見交換した。
 赤土発生部調査については、豪雨時に水路からあふれ出た雨水が赤土を押し流しているとの指摘があり、水路の設計に不備がある地点を調査地点に組み込むよ う検討することになった。
 農家を対象にしたアンケート調査では、事務局側が、緑肥作物とマルチングを取り入れている農家50戸程度を対象にする計画を示したところ、「独自に対策 を行っている農家からもアンケートしてほしい」という要望が出た。
 赤土流出状況のモニタリングでは、事務局側が提示した調査地点の候補地について「海岸線が入っていない」という指摘が出て、検討し直すことになった。

農家に赤土対策に協力してもらうために必要な方策を話し合った轟川流域農地赤土対策推 進検討委員会