八重山毎日新聞
2002年11月28日(木) 

赤土汚染調査結果

最悪の「ランク8」が8カ所も

2000年時点はゼロ

石垣島調査地点の67%が「6」以上

 石垣島赤土流出防止協議会と石垣島赤土監視ネットワークは27日、石垣島の海岸66カ所で2000年から毎年実施している赤土汚染調 査の結果をまとめて公表した。海底にたまった赤土の濃度を8段階に分けて評価する底質中懸濁物質含量簡易測定法(SPSS測定法)で調べた結果、立ってい るだけで足がめり込む状態のランク8が、2000年にはなかったのに、2002年には8カ所に増えるなど、明らかに人為的な影響を受けているとされるラン ク6以上の調査地点が、2000年の21%から2002年の67%に増加するなど、赤土汚染は一層深刻になっていた。

 同ネットワークは、2000−2002年の調査結果と、八重山保健所(現・八重山福祉保健所)が89年などに実施した調査結果を照合 し、「(宮良湾など)赤土汚染されたポイントが一致している。改善を怠った行政の怠慢」と厳しく批判し、今後、説明責任を果たすよう求めていくことになっ た。
 また、赤土対策のために設けられている既存の組織の在り方について、「現地の意見を採り入れようとしていない。最初からやり直してほしい」と求めた。
 このうち、28日に開催される轟川流域農地赤土対策検討委員会については「すでにデータの蓄積がある調査を繰り返すなど、調査の意図がはっきりしない。 農家が赤土流出防止に協力できるようにするために必要な制度の確立に向けて、踏み込んだ議論を行うべきだ」と指摘した。
 同ネットワークなどの調査は▽2000年=9月24日−10月31日▽2001年=9月16日−11月10日▽2002年=11月2日−15日にそれぞ れ実施した。


赤土流出防止体制を確立

離島・過疎地域対策会議

離島振興計画主要事業を了承

商店街支援事業も明示

与那国は海底遺跡を観光資源化

 【那覇】向こう10年間の離島振興の総合計画、新沖縄県離島振興計画の主要事業の内容が27日明らかになった。7本の振興施策の展開 に基づき、導入予定あるいは導入済みの計193事業を掲げた。八重山圏域は石垣島の赤土対策、与那国島の海底観光資源利用促進、波照間島の空港整備、圏域 内の中波ラジオ放送受信障害解消などの事業が盛り込まれた。計画の策定は復帰後4度目だが、主要事業の一覧表を作成するのは今回が初めて。県は事業の進 ちょく状況をチェックしながら計画の進行管理に努める方針だ。

 県の部局長で構成する離島・過疎地域振興対策会議(会長・比嘉茂政副知事)が同日午後、県庁で開かれ、計画案を了承。12月中旬の知 事決裁を経て正式に決定される。
 計画案は(1)自然環境の保全・活用(2)地域特性を生かした産業の振興(3)安らぎと潤いのある生活空間の創造(4)健康福祉社会の実現と安全・安心 な生活の確保(5)持続的発展を支える基盤づくり(6)地域間交流の促進による島の活性化−の振興施策の展開を掲げ、その具体策として主要事業をまとめ た。
 このうち八重山圏域での主な事業は空港、港湾など各種基盤整備のほか、石垣島で総合的な赤土流出防止体制を確立する「赤土対策モデル基本方針」の策定、 商店街の活性化を図る商店街パワーアップ支援事業、与那国島海底資源の支援施設整備・情報発信・土産品開発など総合的な利用の促進、圏域内でのラジオ難聴 の解消、波照間島空港の滑走路延長の検討など。
 このほか、県内の全離島を対象にした戦略的環境影響評価システムの導入検討、体験滞在型観光を促進するためのプログラム作成・インストラクター養成、へ き地医療支援、農水産業改良普及活動などが記載されている。