白保サンゴ礁海域赤土たい積調査結果
赤土汚染が進行
先月下旬の集中豪雨が拍車
ランクの高い地点 前年を4カ所上回る
サンゴの成長にも影響
WWFジャパンのサンゴ礁保護研究センター「しらほサンゴ村」は22−24の3日間、白保サンゴ礁海域で赤土たい積状況に関するモニ
タリング調査を行った。海底に含まれる赤土の濃度を8段階に分けて解析した結果、明らかに人為的な影響が出ているとされるランク6−8の地点が6カ所とな
り、前年同期を4カ所上回った。前回(今年8月)と比べても、4カ所増えている。同センターは今月10日、同海域に生息するサンゴの一部が白化現象を起こ
したのを確認しており、赤土汚染の進行がサンゴの成長を阻害しているものとみている。
同調査は2000年8月から3カ月に1回行っているもので、サンゴ礁内に設けた定点32カ所から海底にたまったどろを採取し、底質中
懸濁物質含量簡易測定法(SPSS測定法)と呼ばれる方法で赤土の濃度を測定している。
今回の調査では、轟川河口以北に設けたポイントのうち、1カ所で「立つと足がめり込む状態」を示すランク8、2カ所で「歩くと泥の足形がくっきりでき
る」ほどの汚れを示すランク7、2カ所で「一見して赤土の汚れが分かる」のランク6を記録した。同河口以南でも、1カ所でランク6を記録した。
石垣島地方では、先月下旬の集中豪雨によって大量の赤土流出が観察されている。同センターでは、今回の調査結果はその影響を示すもので、10日に見つ
かったサンゴの白化現象も赤土汚染と関係があるとみている。
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白保海域で確認されたサンゴの白化現象=10日、WWFジャパンのサンゴ礁保護研究セ
ンター提供 |
<待ったなしの赤土対策>
■WWFジャパンが3カ月に1回実施している白保海
域の赤土調査で、10月下旬にあった集中豪雨の影響がデータで確かめられた。WWFジャパンでは、今月10日に発見されたサンゴの白化も、このときの赤土
流出と関連しているものとみている。美しいサンゴ礁の代名詞ともいえる白保のサンゴ礁も赤土汚染とは無縁ではない。言い古された言葉ではあるが、対策は
「待ったなし」である。
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