八重山毎日新聞
2002年 6月 6日(木) 

轟川沿いの畑にゲットウ

白保小が赤土流出防止で植え付け

 白保小学校(船附義一校長)の5、6年生児童37人は5日午後、轟川下流域にある圃場に沿って長さ72メートルにわたってゲットウ (月桃)の苗180本を植える「轟川グリーンベルト作戦」を実施した。赤土流出防止が目的で、身近な自然を考える総合的な学習の一環。苗の確保や植え付け 方法の指導では市や県、石垣島周辺海域環境保全対策協議会などが協力した。同日は、6月の第1水曜日の「土壌保全の日」にもあたることから、隣接する圃場 0.4ヘクタールで緑肥作物のピジョンピーの種をまいたあと、緑肥作物の栽培状況を視察した。
 同校は、赤土問題やごみ、サンゴ礁など身近な環境の問題を学習する取り組みを進めており、今回は、実際の赤土流出を止める試みとしてゲットウの植え付け を行うことになった。今後、生育状況を調べながら、赤土の防止効果などを観察していく計画。
 会場には、学校関係者のほかに、赤土対策の行政担当者や農業団体の関係者など約100人が集まった。
 開会式では、船附校長が「地域を流れる轟川の赤土流出が少なくなるよう、心を込めて植えてほしい」と述べたあと、児童会長の宮良央(なか)君(11)= 6年=が「ゲットウがどんどん伸び、緑の帯となり、赤土が流れるのを防いでほしい」とあいさつした。
 このあと、児童たちは、八重山農業普及改良センターの職員から説明を受けながら、ゲットウの苗を植え付けた。
 作業後、児童代表の内原真央さん(10)=5年=が「早く大きくなって緑の葉を付け、赤土が流れるのを防いでほしい。これからも私たちの手で自然を守っ ていきたい」と感想を述べた。
 圃場を提供した多宇久美子さん(58)は「自分たちが植えたものがどのように育っているか、時々見に来て下さい」と呼び掛けた。

赤土流出を防止するために畑に沿ってゲットウを植える白保小学校の児童たち