八重山毎日新聞
2002年 4月30日(火) 

赤土汚染

支庁がビデオ制作へ

住民の意識を啓発

海域の汚染を収録

上空撮影など駆使

 赤土汚染に対する住民の意識を高め、赤土対策を普及させるため、八重山支庁は本年度、啓発用のビデオを制作することになった。庁内の 課長クラスで構成する同支庁赤土総合対策検討委員会(委員長・崎浜国昌次長)を黄金週間明けに開き、収録する内容について具体的に話し合う。赤土汚染が激 しくなる梅雨や台風のシーズンが間近に迫っていることから、撮影の委託先についても早急に詰める。

 ビデオでは、赤土流出や赤土による海域汚染の状況や、すでに実施されている赤土対策を土地の利用状況ごとに紹介することにしている。 上空からの撮影や水中撮影も駆使する計画で、立体的な映像で赤土問題を取り上げることになりそうだ。総事業費130万円。
 制作後は、八重山農業改良普及センターなどに備え、農業関係者や一般の人たちに視聴してもらう考え。
 同支庁赤土総合対策検討委員会は2000年6月に発足。課長クラスで開く委員会と、課長補佐クラスによる幹事会からなり、これまでに委員会4回、幹事会 6回を開いてきた。昨年3月にはハード面とソフト面にわたる総合的な赤土流出防止対策をまとめている。

大雨でほ場から流出する赤土。支庁ではこういう事態をビデオに納め、啓発を図っていく


見渡したところ、ごみ一つないように見える海岸でも、腰をかがめて、 海とは反対側の茂みをのぞき込むと、ごみがいっぱいという光景を目にしたことのある人も少なくないのではないか。波や風が奥の方に押し込んでしまうのか、 海辺にごみを捨てて帰る人が、良心の呵責(かしゃく)から人目に付かないところへ放っていくのか。どっちにしても、海をきれいにしようとボランティア活動 にいそしんでいる人たちには迷惑な存在だ。黄金週間まっただ中だ。たくさんの人出が去ったあと、ごみがわんさと残っているという光景が今年も繰り返される のだろうか。