八重山毎日新聞
2001年 8月11日(土) 

「農水省は積極的」

赤土流出防止協が要請報告

 6日から2泊3日の日程で赤土流出防止について国への要請活動を展開した石垣島赤土流出防止協議会(会長・山田隆一石垣市商工会長) は10日、市内ホテルで記者会見し、「農林水産省が対策の実施を約束した」などと成果を報告した。
 この中で山田会長は「民間の要請は初めてで、民の心を訴える機会になった」と述べた上で、農林水産省の対応に「姿勢が積極的だった」と評価。「地域とし ても積極的に協力体制をつくらなければならない」と述べ、今後は具体的に赤土問題を解決していく体制づくりの必要性を強調した。協議会としては年度内にシ ンポジウムや勉強会を開催する方針。石垣市は9月に全庁体制の対策本部を設置する。
 要請先での成果としてほかに▽地域の環境に調和した循環型の農業土木の推進(田中直紀農林水産副大臣)▽衆議院の沖縄及び北方問題に関する特別委員会の 現地視察(下地幹郎氏)▽沖縄総合事務局農林水産部に赤土対策専門官の配置(田中副大臣)−などを挙げた。
 ただ、要請事項の赤土対策事務所の設置については具体的な回答は得られず、「今後も積極的強力に各方面に働きかけていく」とした。
 要請団のメンバーは山田会長のほか宮良康弘副会長(観光協会筆頭副会長)、以下理事の大島正嗣氏(八重山郡農協組合長)、上原亀一氏(八重山漁協組合 長)、黒島一雄氏(八重山建設団体連合会長)、池間義則氏(市観光協会副会長)、佐伯信雄氏(赤土監視ネットワーク幹事)。

東京での要請活動を報告する石垣島赤土流出防止協議会の山田隆一会長(左から2人目) ら要請団の一行


<市民大学“効果”に感謝>

石垣島赤土流出防止協議会の要請に積極的な対応を 示した田中直紀農林水産副大臣は去る4月、市民大学で講師を務めた真紀子夫人に同行した際に赤土対策の現状を視察していた。要請団は一様に「これが大き かった」として、「市民大学と視察案内をした八重山支庁に感謝したい」とお礼。「田中副大臣は前向きで、実効性のある事業が今後出てくると思う」と確かな 手ごたえを感じたよう。