八重山毎日新聞
2001年 6月11日(月) 

赤土汚染 ワースト1は轟川河口

WWFJが白保海域で調査

1年間のデータ分析へ

 財団法人世界自然保護基金日本委員会(WWFJ)は9日から3日間、白保海域で赤土汚染調査を実施している。汚れ具合を8ランクに分 けた結果、轟川河口で、歩くと泥に足形がくっきり残る状態を表すランク7となり、依然として赤土で汚染されていることが分かった。調査は、赤土流入の季節 変化を調べる目的で昨年8月に始まり、3カ月に1回程度の間隔で続けてきた。今回が4回目で、WWFJでは「四季を通じたデータを集積することになる」と 説明している。

 WWFJでは今後、白保海域の赤土汚染が1年の間にどのように変化しているのか、専門家の助言を受けながらデータを詳しく分析する計 画。調査は今後も継続し、赤土汚染状況が年ごとにどのように変化していくか把握していく。
 調査は、白保集落北側から通路川河口までの海岸に、A−Lの12地点を設定し、それぞれについて、海岸線付近からリーフまでの間に1−3地点の定点を設 けて実施している。調査ポイントは合わせて32地点。
 今回の調査では、9、10の2日間に、WWFJの職員やボランティアなど合わせて延べ14人が参加し、20地点で調査を終えた。
 このなかで、最も汚れがひどかったのは轟川河口に設けた3地点のうちの1地点で、ランク7。「一見して赤土による汚れがわかる」という意味のランク6 は、通路川河口の1地点など4地点だった。
 残りの15地点は▽ランク5=9地点▽同4=1地点▽同3=5地点−の内訳だった。
 「砂をかきまぜても微粒子の舞い上がりが確認しにくい」を示すランク2以上に澄んだ定点はなかった。
 調査は、メスシリンダーやペットボトルなど比較的安価な道具で行うことができる底質中懸濁物質含量簡易測定法(SPSS測定法)で実施している。

WWFJの赤土汚染調査を行うため、調査地点に向かうボランティアら


<赤土汚染改善されず>

WWFJが四季を通じて行っている赤土調査では、 轟川河口と通路川河口で汚れが顕著だった。予想された結果とはいえ、赤土の汚染状況が改善されていないことがあらためて数字で示されると、気が重くなる。 このところ、梅雨とは思えない好天が続き、海に出かける人も多いだろう。観光客の姿もみられる。できることなら、きれいな海で遊びたいが、そういう場所を 求めて、あちこち探し回らなければならないということになれば、残念だ。