廃家電輸送費補助など要請へ
市議会最終本会議
赤土防止対策を国に訴え
「ごみ有料化反対決議」は否決
石垣市議会(小底嗣洋議長)の3月定例会は29日、総額181億6990万円の一般会計など新年度予算案10件、国保税の引き上げや
公設市場の管理委託を可能とする条例改正案など9件を各特別委員会報告後に全会一致で可決した。赤土防止対策や家電リサイクル法での離島の負担軽減、県立
八重山病院の医師不足解消などを求めた5件の要請決議や意見書を議決、議員派遣を承認した。宇根底智生氏が動議で提案した「ごみの有料化に反対する決議」
は採決に持ち込まれた結果、賛成少数で否決された。
各予算のうち一般会計は前年度比で4億918万円(2.2%)減で5年連続のマイナス予算となった。自主財源の伸びを見込んでいる
が、大型補助事業の完了により国・県支出金の大幅減が主要因。当局では自主財源の確保に向け特別徴収班で大口滞納者からの徴収業務に力を入れる。国・県の
支出金については高率補助事業の導入に取り組むことにしている。
主な事業はハード面で農業集落排水整備(宮良、白保地区)、市道整備事業(八重山商工高校南通り線の測量・設計など)、しらほ幼稚園新増改築、伊原間中
のスクールバス購入など。ソフト事業では市経済振興基本調査、滞納管理システム構築、火葬場施設整備事業(基本計画策定)、新技術新品種導入対策事業(パ
イン生果品質・栽培管理技術)、IT講習会など。
可決された5件の決議、意見書のうち「赤土流出の抜本的対策を求める要請決議」は▽国営事業による対策事業の実施▽環境保全対策に関する制度や事業の実
施▽ポスト3次振計で重点的課題としての位置づけ−を沖縄担当大臣に求めている。「『家電リサイクル法』に伴う離島の負担軽減に関する要請決議」は▽離島
における運搬料金の県からの助成−などを訴えている。
このほか「新総合病院の早期建設に関する要請決議」、「米軍兵士による一連の事件・事故に対する抗議決議」「米国海軍の原子力潜水艦と『えひめ丸』の衝
突事故に係る原因究明等に関する意見書」も全会一致で可決した。
ごみ有料化に反対する決議は反対賛成の討論後の採決で野党10人の賛成少数で否決された。反対討論で前野尚史氏は「有料化が必要かそうでないかは議案
(条例案)が(6月に)上程されたときに議論すべきだ。今の段階で賛成か反対かの先鞭をつけるべきでない」との立場から決議に反対。
一方、賛成の立場から仲間均氏が「クリーンセンターへの7000万円の委託料や職員配置、増加するゴミなどに対する解決策が示されていない」などと述べ
た。
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