野底浄水場のり面崩壊問題
斜面の切り土が誘因に
市水道部が調査結果報告
地滑り対策を強化
年度内に工事に着手
石垣市簡易水道事業の野底浄水場でのり面が崩壊した問題で、市水道部は8日の市議会建設土木委員会で地滑り調査の結果を報告した。台
風などによる大雨と斜面の切土が地滑りを誘因したとして、土砂を除去したり新たに杭を打つなどの対策を講じ、地滑りの抑止力を最大限に高める考えを示し
た。年度には工事に着手する方針だ。
同浄水場は5月の集中豪雨で地滑りが発生したのに伴い、のり面設計を修正。大型ブロック、抑止杭を設置したほか切土の勾配を変更し
た。しかし、10月の集中豪雨でさらに地滑りが起き、一部で土砂が崩壊、擁壁は土砂に押し出され、亀裂が入った。
これによって工法をはじめ赤土流出や農地への土砂流出などが問題化、議会で調査していた。
これを受け水道部では地すべり調査を行っていた。その結果、のり面部分は、もともと地すべり地であった可能性があるほか、軟質な地層が斜面と平行に層状
に分布し、地下水位が高いことが分かった。
その斜面の末端を切土したことと、大雨に伴う地下水位の上昇によって5月の地滑りが発生。斜面対策をしたが、10月の集中豪雨による地下水位の上昇で5
月に発生した地滑りが再活動したため、これに引きずられるように背後の山が動いたと分析した。
調査結果から水道部では、抑止力の強度を示す完成時安全率を現況の1.00から通常設定する最大値の1.20にする考えだ。具体的には土砂の除去、水路
の確保、水抜きなどによって地滑りを抑制し、平均22.6メートルのアンカー30本を打つなどで抑止することにしている。
現在は、盛土などをしており、降雨量も少ないため安定した状態という。
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昨年10月の集中豪雨でのり面の一部が崩壊した野底浄水場を視察する建設土木委員会の
委員ら(昨年11月16日) |
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