八重山毎日新聞
2001年 3月 6日(火) 

「赤土防止条例」を制定へ

農業振興センター構想も

大浜市長が新年度の施政方針

スポーツ振興計画策定に着手

 大浜長照市長は5日開会した市議会3月定例会で2001年度の施政方針を示した。市民とともに汗を流し知恵を出し合う「協働」を新世 紀のキーワードに掲げ、協働による施策展開や市民サービスのあり方について検討するほか、新行政改革大綱を策定して全庁的に行改を進める決意を表明。「公 正・健康・思いやり」を市政の基本理念に新たな行政課題への対応に全力を傾注する姿勢を強調した上で、新年度からスタートする第3次総合計画の施策体系に 沿って施政全般にわたる施策を説明した。

 大浜市長は総合計画について「本市の振興発展に大きく貢献することを確信する」と自信を示し、「美しゃ」「結い」「世ば稔れ」の基本 理念に基づき「やすらぎ」「くらし」「はぐくむ」「いきがい」「にぎわい」「ふれあい」の6項目に施策をまとめた。
 「やすらぎ」は自然環境保全を前提とする地域振興策。赤土問題について公的整備など抜本的な対策を求める取り組みのほか、市独自の赤土防止条例の制定に 努める考えを示した。
 「くらし」で新石垣空港建設位置決定を強調。「周辺地域の振興策に誠意をもって取り組むとともに関係機関と密接に連携して早期建設に強力に取り組む」と 決意を示したほか、現空港の跡地利用構想の策定にも着手する方針を示した。
 また、八島町埋め立て地(人工島)のコースタルリゾート構想の事業化に向けたプロジェクトチームを組織する。放置車両対策として「放置自動車の発生防止 及び適正処理に関する条例」の制定にも努めていく。
 教育、文化、スポーツなどに関する施策を展開する「はぐくむ」では、次世代IT教育推進事業の導入、伊野田小と石垣小の体育館増改築に向けた調査、ス ポーツ振興基本計画策定の着手などを挙げた。
 「いきがい」では市民の健康保持増進施策を展開。介護サービスを受けていない高齢者の支援を行う「基幹在宅介護支援センター」の開設、学校空き教室を活 用した放課後児童健全育成事業の拡大実施を掲げた。
 「にぎわい」で産業振興策について、「産業構造の転換が急務」として4月の機構改革で新設する企画開発部と農林水産部で対応していく考えを示した。この うち農業については「総合農業振興センター」(仮称)の構想実現に向けて検討、漁業では初の試みとして中層浮魚礁2基を設置する。
 「ふれあい」では国内外の交流、女性行政などの施策について触れた。
 このほか、「健全な行財政づくり」に向けて、「自主財源の確保が最も重要」との観点から税務課に特別整理班を新設して市税の徴収業務を強化していく。