八重山毎日新聞
2001年 2月14日(水) 

目的達成に住民一丸

石垣島赤土流出防止協が発足

28日に市民集会開催へ

調査研究など事業決める

 経済団体や環境に関する市民団体などが赤土問題の解決に取り組む石垣島赤土流出防止協議会(会長・山田隆一市商工会長)が13日、発 足した。当面、28日に市民会館中ホールで「石垣島赤土問題を考える市民集会」の開催に向けて準備を急ぐほか、赤土汚染状況の調査研究や、行政機関に赤土 対策を求めていく要請、市民への啓もう活動に取り組んでいく。

 同協議会は、観光や商工業、1次産業、建設などの経済団体や赤土流出の監視を行っている市民団体などで構成する。
 「設立趣意書」では、開発に伴う赤土汚染の深刻化や、新石垣空港建設に関連して赤土問題に対する関心が高まっていることを指摘。八重山の自然環境を「世 界的に貴重」と位置づけ、「これらを保全・回復し、次代へ引き継いでいく責務がある」とした。そのうえで、「空港建設と自然環境保全の2つの目的が達成で きるよう、住民一丸となって取り組む」と述べている。
 13日午後、市商工会館で開かれた設立総会では、「赤土汚染防止と環境の回復を目指して、さまざまな行動を展開する」とした基本計画に基づき、(1)赤 土汚染状況の調査研究事業(2)要請活動(3)啓もう事業−の3点に取り組むことを盛り込んだ事業計画を承認した。
 28日の市民集会は午後六時から市民会館中ホールで開く。ビデオによる現状報告や漁民や農民、商工観光関係者、学生の代表が意見を発表したあと、決議文 を採択するプログラム。
 決議文の案には、赤土対策を扱う事務所の設置と実効性のある対策事業の早急な実施、赤土防止条例の見直し・強化、赤土対策事業の国営事業化を国や県、市 に求めていくことを盛り込んだ。同集会で会場の賛同を得たうえで、要請行動を行うことにしている。
 会長就任のあいさつで、山田会長は「赤土問題は八重山にとって大きな課題であり、避けて通れない。環境を保全して、良い八重山にしていきたいという気持 ちはみんな同じだと思う」と述べた。

28日の「石垣島赤土問題を考える市民集会」に向けて話し合いを行った石垣島赤土流出 防止協議会