野底浄水場問題
軟弱地盤 97年に指摘
事業計画決定で建設地変更できず
市議会建設土木委が調査
位置選定の経緯など求める
野底浄水場が土砂崩壊と擁壁のひび割れのため工事が中断している問題で市議会の建設土木委員会(知念辰憲委員長)は16日、現地調査
を行うとともに水道部(大島正光部長)から説明を受けた。
この中で1997年に浄水場の建設地が伊原間から野底へ変更になった際、軟弱地盤や景観上の問題が指摘されたのに事業計画がすでに決定されていたため、
変更できなかったことがわかった。
知念委員長は「公共工事をするに当たって、これは水道部だけの問題ではない」と位置選定のあり方を疑問視、位置選定の経緯と地質調査結果の資料の提示を
求め、再度委員会で審査することにした。
97年に建設地が野底に決まったことについて「大島部長は「平成10年(98年)に管理公社から水道部に戻り、土質のもろさや景観の問題もあったので課
長に変更できないか話したが、事業計画で決定したので変更できないということだった」と説明。その上で「十分に地質調査をして(軟弱な土質に耐える)施工
方法を指示し、赤土対策に配慮して工事を進めてきた」と述べた。
ただ、調査については「設計に伴う調査で、本格的な調査ではなかったと思う。通常の雨量で設計した」と話し、今年の台風や集中豪雨による大雨は予想でき
なかったとした。
今後の対応については地質調査を再度行い、これに基づいて設計を変更していく考えを示したほか、赤土流出対策では沈殿地を増設する。配水管への進入路か
ら赤土等が畑地に流出した問題については本年度中に配水管を整備して舗装工事を行うことにしている。景観上の問題では建物をツタ類で覆うなどして対応して
いく考え。
地質調査の結果、場所の変更もあるかどうかについて大島部長は「これまで5億9000万円を投資しているため今のところ考えられない」とした。
<公共工事のあり方を疑問視>
■野底浄水場の工事中断問題で、市議会建設土木委員
会が16日、現地調査を行った。計画地は当初伊原間だったが、地盤が軟弱地盤の現在の地に変更された。変更に至った経緯が不透明なため、同委員会では資料
の提示を求めた。知念辰憲委員長は「水道部だけの問題ではない」として公共工事のあり方を疑問視。水道部長も今回の件で「公共工事では各部長で連絡会議を
もって位置選定するシステムをつくる必要がある」と痛感したよう。
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