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社 説 ================================ |
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−行政や関係団体は国に要請行動を− 市民グループが9月に実施した赤土汚染調査の結果がこのほどまとまり、石垣島全域が赤土に汚染されている実態が改めて浮き彫りになっ
た。この調査は石垣島全域を67地点に分け、その中から海底の土を158サンプル採取、底質懸濁物質含量簡易測定法で赤土濃度を測定した。
確かに赤土問題は復帰以降大きく問題視されながら、これまで有効な対策は取れていないのが現状。 沿岸の赤土汚染は、復帰後次々始まった宮良川、名蔵川国営事業を始めとする大掛かりな農地開発事業に伴って年々深刻化。そのため県でも、工事段階で沈砂 池やろ過池をつくったり、そして95年には赤土汚染防止条例も制定。新規の公共事業には赤土の排出基準を定めるなど、本格的に対策に乗り出したが、十分な 効果はあげられず前述の調査結果となっているのが現状。
そして赤土の排出基準と県の調査権を定め、違反者には計画変更や改善命令を出し、民間には工事の中止や50万円以下の罰則規定もあるが、公共工事はな く、さらに条例施行前の事業と米軍基地内の事業は対象外となっている。 95年10月に施行され、今年で5年を経過したが、条例施行前の農地からの表土の流失などがあり、現実には歯止めがかかっていないのが現状だ。そのため 「県の条例は気休めにすぎない。施行前の事業も対象にすべき」と条例見直しを指摘する一方、「県や市町村レベルでは歯止めは利かない。国の力で解決すべき だ」の声が強まっている。
赤土汚染が復帰後の大掛かりな農地開発とともに深刻化した経過からして、その因果関係は否定できないだろう。言うなれば赤土汚染は農地開発の“負の遺 産”といえる。それなら沖縄の、あるいは八重山の地理的・気象的条件を勘案しないで本土と同様に画一的に事業を進めてきた国にも責任の一端はあろう。そこ で国に求めたいのが宮良川や名蔵川水利事業と同じように、国営事業で赤土防止対策事業を実施してもらいたいということ。 それは先にも触れたように県や市町村レベルではもはや限界にあるからだ。 カラ岳陸上に決まった新石垣空港建設も赤土汚染防止が最大の課題だ。隣接する白保海域には世界的な遺産であるアオサンゴ群落がある。そのサンゴをいかに 守るか。まずこれを国のモデル事業として実施し、これを何カ年かの計画で順次実施していけば白保のサンゴを始め沖縄の豊かな海、農地、自然が守れることに なる。 3市町や経済団体、そして内外の自然保護団体が一体となって訴えれば道は開けるはずだ。早急な国、県への要請行動を望みたい。 |